ツリーハウス施工記録

建築素人がツリーハウスをセルフビルドしています。トラブル続きの施工記録です。随時更新

階段作り (作業記録 1.21-25 その2)

外壁作業に先立ち、いままで後回しにしていたツリーハウスへの乗り降りのための階段を設置する。

 

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ツリーハウス横の斜面からアプローチ用のデッキまでは、高さ50cm、幅1m程度の距離がある。これまでは足場板を立て掛けてその上をそろそろと歩く方法をとっていたが、雨に濡れると滑るし、実際一度尻もちをついた。この機会にしっかりとした階段を作っておきたい。

 

階段を作るには、足で踏む板が十分な強度を持つようにするのももちろんだが、階段の下から上までの距離に耐えうる横の板(桁)を用意するのが重要だ。屋内の階段なら地面から垂直に柱を立て、階段型のタンスを置くように階段を作成すれば良いと思う。一方屋外の階段では、その方法だと材料が多いしすっきり見えないため、非常階段のように踊り場から踊り場まで桁のみでつないで、間は浮いた構造にしたほうが合理的だろう。屋内でもその方式の方が空間を大きく使える。

 

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桁の置き方もいろいろあるようだが、側桁階段が最も切り欠きが少なくて楽だろう。桁の材は長いスパンで下にたわむ方向に力がかかるので、多少幅のある材がよい。一度に乗る人数はひとりだが、踏むときの負荷は何倍にもなる。たわみは材の幅に反比例して小さくなるが、厚みについてはその3乗に反比例して小さくなる。よって太い角材より幅広の板材のほうが有利である。入手しやすい2x6以上の木材ならよいだろう。

 

踏み板は、直接桁からネジ止めするのも考えられるが、受け材を噛ませるのがいいだろう。木口にコーススレッドを打つと、高さもずれやすいし案外強度が出ない。受け材はクランプでとめられるし、1人の作業性も良い。

 

 

今回の問題点は、階段を斜めに作らなくてはならないことだ。最初の写真をよく見ると分かるが、デッキの方向に対して足場板が斜めに置いてある。正面には木が1本立っていて避けなければならないからだ。そのため3次元的に考えなければならないので、一気に角度の計算がややこしくなる。

つまり、地面に乗っている部分は通常の桁が同じ角度で立ち上がっているが、反対側は桁の長さも違うし、高さも違う。足場板も台形になっているといった状況になるだろう。

こういうのはCADでデザインすれば図面が簡単に作れそうだが、あいにくPCを持ってきてなかったので手計算でやることになった。

 

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まず短い方の桁の距離と高さを測り、桁平面での平面図を作成、次に俯瞰図を書き、長い方の桁の距離を計算し、角度から斜めの長さを決定し、作図。次に2x6の寸法から厚みや幅を記入し、最終的にデッキの土台側面に接合する面の寸法を決定する。

iPhoneの計算機を横向きにしたときのツールに助けられながら、2x6の墨付けを行う。非常にトリッキーな角度になった。

 

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結局計算して切るだけで半日かかってしまった。色はデッキと同じキシラデコールパリサンダにする。足場板は残っていた2x8を使い、受け材は30x40の垂木にした。

 

翌日実際に組み付けてみる。先日新たに追加したビームに接触しないかひやひやしたが、ぎりぎり当たらず設置できた。

 

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一つ気になるであろうところが、階段上端の、桁の設置法である。側桁では通常上端部はL字に切り込みを入れて重みを2階部分に乗せるように固定しているのが多い。上から置くだけで十分支えられているというのが理想的な構造だろう。

しかし今回は、2階土台の側面に2本のコーチボルトで固定する方法をとった。木口にボルトを打っていて、さっきと話が違うじゃないかと言われそうだ。ここは太いボルトを使ったということで、なんとか許してほしい。

理由は、階段の方向が斜めなため、降りるときに側桁につまづきやすいだろうと思ったからだ。また、斜めカットの角度計算もまたややこしくなる。

地面に置いてある木は廃材を捨板として置いてある。桁の沈み予防だ。レンガなどが良かったが、準備が無かった。

 

ともあれ、歩き心地は良好である。距離に比して高低差が少なく、段の高さを刻み過ぎた。踏み板を2枚ずつにして段を減らしたほうがより良かったかもしれない。しかし些細な問題なのでこのままにする。

 

 

 

これにて手すりも階段も出来上がり、だれでも安全に登り降りできるようになった。外壁作業の効率も上がることだろう。

作業は仕上げに差し掛かってきた感触がある。壁まで一気に貼ってしまおう。

 

つづく

ドア作り (作業記録 2020.1.21-25 その1)

断熱材を入れたところで2019年の作業は終わり、年が明けた。暖冬の影響で雪がほとんど降らず、降雪時の荷重試験は翌年に持ち越しとなった。

ともあれ、一番寒い時期がやってくる。

 

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ツリーハウスの作業は、ついにドアと窓を塞ぐ段階に差し掛かった。

ドアの枠は1900x700mmのサイズで空けておいたので、このサイズで作ることになる。アンティークショップでヨーロッパの中古ドアなどを探したりもしたが、サイズがかなり大きくて、さらに普通に何万円もしたので諦めた。やはり自作になりそうだ。今回はドアを作るぞ。

 

ドアは一枚の板でできているのだが、一枚板で作るのは高級すぎるし、重量が大きすぎる。いろんな木製ドアを見て研究したところ、平べったい板材で枠組みを作って、その中に薄めの板ないしすりガラスなどを挟んだ構造になっているものが多い。その他、1x4などの板材を並べて作ったものも多い。

 

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後者はbarn door(納屋の扉)と呼ばれる、上から吊り下げるタイプでよく採用されているようだ。古びた感じや基地のような雰囲気が出せてとてもいいデザインだが、今回のテーマである居心地の良い週末別荘とは少し異なる気がする。もう少しモダンな印象にしたいため、前者の構造でヨーロッパのアパルトマン風のドアを目指す。

 

ドアに求められる要件にはどんなものがあるだろう。

・片方の蝶番のみで支えられるため、剛性が高いもの

・プライバシー性が高いもの(中が見えない)

・雨に強いもの

・何万回もの開け閉めに耐えられる、耐久性の高いもの

・鍵がかけられるもの

 

このうち防水性については、合板やベニヤそのままとかでなければ許容だろう。構造体ではなく、片面が濡れてもすぐに乾く部位なので、防腐剤は要らないと思う。防水性のある屋外用塗料を使うことにする。

耐久性と剛性についてはどちらも丈夫さという視点でひとくくりにできる。特に、枠組みがグラグラで平行四辺形に歪んでしまうようではあまりにも不安定だ。歪み防止には板を固定すれば筋交いの役割となってぐらつかなくなるのはツーバイフォー工法で学んだ。

鍵はロック機構の穴を彫り込んだりするのが困難なので、南京錠でしばらく運用する。

 

いろいろと考えたが、2x4材で田の字型に枠組みを作って、空いた部分を5.5mmのベニヤ板で埋める構造にすることとした。

ここだけは見た目にこだわって、外に釘が見えないように作ってみるとしよう。

 

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ドアの隙間は上下左右5mmずつ空けた。

 

2x4の側面同士を強固に接合するのに、釘を使わない方法はいくつかある。

木材の基本的な接合方法58個。 | Lifeなび

大きく分けて、1.何らかの切り欠きを加えてはめ込む、2.ダボ穴を開けてダボでつなぐ、3.接着剤でくっつける、4.ビスケット実でつなぐ、などがあるだろうか。

切り欠きなんかでバッチリ組んでしまえば見た目も強度も最高だろう。しかしこれまでの作業でいかに組み手が難しいか理解したので、手を出さないでおく。接着剤のみでは雨で濡れるなどで不安がある。ビスケットジョイントはものすごく便利で強いらしいが、工具が3万くらいするらしく、ハードルが高い。ここはDIYでも手を出しやすいと言われるダボ継ぎを採用しよう。うまいことドリルで垂直に穴を開ければ良い。ボンドと併用でしっかり圧迫すれば、かなりの強度となるらしい。

 

ダボは何かと汎用性の高い8mmのものを購入し、ドリルも切れ味の良いスターエムのものを新たに買った。8mmの穴はちょうどぎりぎりコーススレッドの頭が隠れる大きさでもあり、ネジの頭を隠したいときに便利である。天井の飾り梁を固定するのにネジの頭を隠したいので、8mmの丸棒も買っておく。後日使う。

ダボの両側同じ場所に穴を開けるのが難しいので、ダボ穴マーカーも8mm用を買った。片方の穴に入れて、継ぎたい位置で相方の木を押し付ければ、反対側の穴の位置がマークされる道具だ。これは便利で安いのでおすすめ。

また、垂直に穴をあけるのに苦労するかもしれないと思い、ドリルのガイドも購入した。

 

 

これで狙ったところに垂直な穴を空けられるはずだったが、2x4の木口にうまく固定するのが難しく、ドリルの振動でガイドが少しずつずれていき、思うような効果は得られなかった。目分量の垂直でも問題なかったのかもしれない。しかしAmazonの評価は結構高い。裏面にサンドペーパーを貼り付けてずれないようにして使っているみたいだ。次はそうしよう。

あと、木口側(2x4を切った断端)のほうを先にドリルしたほうが、受け側でドリルガイドをクランプ固定できるため精度が増す。これも段取りの技術だ。

 

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田の字の隙間にベニヤを入れるのだが、これは本来なら2x4の側面にトリマーで溝を掘って、その溝に板を差し込むのが正式なやり方だろう。しかしトリマーは持っておらず、結構高い。

そこで次善の策として、木のモール材を枠の内側にまずボンドで貼り付けて、そこにベニヤを貼り付ける方法を考えた。細いモール経由で接着されるため強度が不安だが、良好に接着された場合の木工用ボンドの実力を信じたい。15mmの木製モールをカインズで買っておいた。曲がっているものが多いので注意。数店舗回った。

 

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まず枠組みを一晩接着させて、翌朝モール材とベニヤ板を接着する。結構いい感じにドアっぽくなったぞ。

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ペイントだが、図書館でインテリアデザインの本をいくつか眺めて、気に入った配色があった。

木目の壁に少しくすんだ水色の窓枠を合わせるのがとても洗練されて見え、これにしようと思った。

 

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だいたいこんな色イメージ。これはかなりラテンだが。

 

塗料は耐候性のある水性塗料で良いだろう。庭で使うようなものが使えそうだ。

最も近いと思った色は、ミルクペイント for ガーデンのクラウディーブルーだが、450mlが当時品切れであった

 ので、少し安いローズガーデンカラーズのパリジァンブルーにした。一度塗りで十分そう。

 

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予想より少し青が強かったが、かなり満足行く色合いだった。少し時間が経って汚れれば落ち着くだろう。モールディングの効果はすごい!これだけでしっかりしたドアに見える。

蝶番は中くらいのフラッシュ丁番を使った。隙間が小さくなってとてもよい。

ドアキャッチはボール式の安いのを使ってみた。

 

www.monotaro.com

 

ドリルで穴をあけるだけだから簡単だと思ったのだが、これはドアの隙間がかなりギリギリじゃないとキャッチしてくれず、結果としてボールがドアに届かなかった。素通りだ。薄い廃材を壁側に挟んだり、ドア側のパーツを曲げたりして取り付けたが、これは失敗であった。後日マグネットのものに交換したい。

 

 

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鍵はよくある安いやつだ。

 

 

 

これでドアが完成した。いや、正確にはまだ戸当りを付けてないからほぼ完成だ。

参考までに、この方法ではドアの枠を作っていないので、上の写真のように構造用合板の断面や透湿シート、通気層、外壁の側面などが丸見えになっている。本来はドア用の枠をさらに一層作り、その中でドアを開け閉めするようにすべきだと思う。気づいたときにはすでにドアができていたので仕方ない。後日直すかもしれないし、直さないかもしれない。壁の仕組みが見えておもしろいが、虫とかが入ってたら嫌だろうな。

 

 

ドアが閉まるといよいよ宿泊の機運が高まる。しかし、一番たいへんであろう外壁の作業をやらねばならない。はやいところタイベックで覆われたホワイトハウスを脱却したいものだ。

断熱材!(作業記録 12.01-02)

時は満ちた。ついに建設初期から買って用意されていたグラスウールを使うのだ。が、いろいろと心配がある。

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グラスウール断熱材は、溶かしたガラスを長細く繊維状に引き伸ばした素材で、これを綿のように絡ませてウレタンのように成形したものである。断熱材の中で最も安価な部類だ。厚み当たりの断熱能力としてはスタイロフォームなどに負けるが、安価な分より厚く入れることができ、断熱能力当たりの価格は安い。

性質としてはぬいぐるみの綿のように弾力があり、圧縮すれば小さくなる。濡れると弾力がなくなり縮んでしまい、完全には元に戻らない。原料がガラスなので、資源が豊富で原料に石油を含まない。理論上回収して溶かせば再びグラスウールにすることができる。

ガラス質の繊維なので、石綿アスベスト)を連想されることが多いが、繊維の大きさが全く異なり、肺胞の奥まで到達することが無いため、発がん性は無い。ただし、ガラスの微細な繊維が断面に露出しているため、素手で触るとチクチクした感じがしばらく残るという。洋服越しでもチクチクはあるとのこと。

 

要するに、安くて、結露に弱くて、チクチクする断熱材だ。施工にあたってはチクチクがどれほどのものか気になる。風呂に入っても取れないそうで、怖い。

 

グラスウールの幅が435mmなので、柱の間隔はちょっと狭めて430mmに作ってある。

湿気対策に、本体が防湿フィルムで包まれたものを選択した。グラスウールの湿気予防には、通気層をきちんと設ける一方で、室内側を防湿フィルムで密閉してしまい、部屋の中に湿気を閉じ込める(壁まで浸透してこないようにする)対策も一般に行われている。これは防湿層と呼ばれる。グラスウールが防湿フィルムで内壁と遮断されていれば、浸透してくる水蒸気もかなり減少するはずである。

フィルムで包まれているので、チクチクの原因である直接触れる機会も最大限回避できる。

 

個人防護具も手に入る範囲で最大限予防策を講じた。

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装備と覚悟を決めてしまえば、あとの施工は簡単である。

防湿フィルム付きのグラスウールはたいてい室内側にフィルムの耳がついているので、これを柱にタッカーで止めていくだけだ。寸法がほぼピッタリなので、断熱材をはめるだけで軽く固定されるため楽ちんである。スパンが微妙に大きく、合板の切り貼りが面倒くさかったのが少し報われた。特に、天井のタッキングで非常に楽だった。ただし、結構圧縮できる素材なので、455mmピッチであった場合の間隔417mmでも施工性は同様だったのかもしれない。しかしそれは考えない!

 

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妻壁の斜めの部分は、グラスウールだと斜めにカットする必要があり、チクチク曝露が増加するため、スタイロフォームを一畳分だけ買ってはめ込んだ。すげー楽だなこれ。

 

天井の断熱に関しては、屋根裏通気層の確保に関して少し工夫が必要だった。

今回の断熱材の厚みは100mmであり、壁については2x4の厚み89mmより少し厚いが、内壁の合板で押し込んでも問題ない(多少のスペック低下はある)。

しかし、天井に関してこれを行うと、屋根合板の下にあるべき通気層がつぶれ、結露する。先記事の通気くんなどの部材を挟むことも考えたが、断熱材がさらに潰れたり、部材の購入も大変そうであったりで見送った。

 

そこで、垂木の下にさらに木材を追加で貼り付け、天井の厚みを100mm以上確保する方法を考案した。具体的には、30x40mmの垂木材をコメリで買ってきて、30mmの厚みを付加するように垂木に下からネジ止めする。こうすることで、天井の厚みは119mmとなり、約2センチの通気層を確保できるはずだ。グラスウールは湿気でしぼむことはあっても膨張することは無いので、途中で塞がることはないだろう。

 

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用意したグラスウールは長さ1370mmで、余った部分はカッターで切断して防湿テープでつないだり、塞いだりする。ここが唯一のチクチク曝露ポイントであり、なるべくウール本体には触れないよう注意深く作業した。繊維が重いのであまり飛散しないが、それでもしばらくは空気に漂うので、換気MAXとアイガード、防じんマスクは必須だと思う。現に四畳半だけで、目のかゆみとのどのイガイガが自覚された。

手袋は、布製だと簡単に繊維が入って来そうなので、ゴム手袋にした。それでも後半は少し痒かったが、翌日まで残ることはなかった。一安心だ。

 

今回は妻も手伝ってくれたので、一日で完了した。床断熱については、先に床を貼ってしまったので、シートが反対向きになるものの床下から根太に貼り付けた。建築後に床下がいじれるのがツリーハウスのメリットに追加された。換気については、床断熱材の下は何らかの疎なもので目隠しするくらいを想定しているので問題ないだろう。

 

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また、将来的な薪ストーブの設置を予想して、壁の一箇所のみ430x430mmのスタイロフォームとした。眼鏡石をはめ込む際に楽だろうと思ったからだ。場所を忘れないように気をつけなくては。

 

翌日は内壁の合板を貼ってしまった。切らずに貼れるところはそのまま一枚で貼ってしまったのだが、これをすると合板同士の境目が柱の上に来ない場所ができる。というか455mmピッチでなければほとんどそうなる。その結果、境目に段差ができて、押すとベコベコ動くようになってしまう。それだけなら良いが、壁を塗るときに段差になって見栄えが悪いし、漆喰などが割れる可能性がある。

みなさんはどうか面倒くさがらず、柱に合わせて合板を切って貼り付けるようお願いします。

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悪い例

 

 

 

これにて、壁の構造は完成した。断熱材を入れた段階で、まだ窓とドアはできていないのにも関わらず、小屋の中はかなり暖かく感じられた。4畳半でグラスウール89mmはかなり高スペックマシンになりそうだ。Core i5Chrome動かすようなものなのだろうか。Fiat 500に180馬力の心臓積むほうが近いかもしれない。

 

次の目標は、ドアと窓を完成させ、あったかハウスを実現することだ。石油ストーブを入れて、ツリーハウスで飲み会をして泊まることを目指す。

 

着々と完成が近づいている。寒い季節だが頑張れそうだ。

屋根裏の通気層 (作業記録 11.16-20 その2)

生活がガラッと変わってしまって、関係ないけどブログが滞ってしまった。早く追いつかなくては。

 

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屋根が完成し、壁合板と透湿防水シートを貼り終え、あとは窓とドアを残して小屋の密閉は果たされたかに思われるが、もう1箇所細かい部分が残っている。垂木と垂木の間の隙間である。

 

垂木は特に切り欠きなどの処理はせずに、壁の枠組みに乗せて固定しただけのものだ。垂木同士の間隔は壁と同じく430mmとしている。グラスウールの断熱材を入れるので、垂木の間にも断熱材が入ることになる。

壁面における垂木同士の隙間を塞ぐだけなら、2x4材を同じく430mmに切って垂木の間に立てて固定すればいいと思う。垂木のねじれなどで面がばっちり出てないのでコーキングは必要だろう。

しかし、屋根裏は壁面と異なり、透湿防水シートやその外側の通気層が無い。合板の表面にアスファルトルーフィングをべったり貼ってしまうのが通例だ。これには透湿性が無く、断熱材を通ってきた水蒸気を逃がす道が無い。屋根裏の結露を防ぐために、対策が必要である。

天井裏の空間がある設計ならば、屋根合板の直下には広い空間ができており、その空間の換気を考えればよいことになる。

 

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<棟換気の図>ここでは垂木間に断熱材は無く、天井面での断熱を想定している。

 

今回の小屋は非常に小さく、天井は屋根裏に直接斜めにつけようと思っている。壁と同様に断熱すると、水蒸気の逃げ道がなくなって結露する。そのため、断熱材と屋根合板の間に通気層を設けることとする。

 

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<屋根通気の図>断熱材と屋根合板の間を通って、湿度を持った空気が排出される。

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<屋根通気用部材の例>「通気くん」はダンボールで通気層の空間を確保してくれる。

 

屋根裏の通気層は断熱材を入れるときに何とかするとして、通気層の出入り口を今回しっかり作っておかなければならない。三角屋根なら頂点の棟から逃がすが、片流れ屋根では軒下の外壁との取り合い部から湿気を逃がす。つまり、垂木と垂木の間を塞ぐ部材の上面に、少し隙間を開けておけば、そこから空気が出入りしてくれるはずだ。

しかしそこにも一つ問題があり、通気層を外界とつなげておくと、そこに虫たちや鳥たち、その他森の生命たちが跋扈繁栄する可能性がある。特にカメムシの侵入阻止を当初のマニフェストにも掲げた我々としては、見過ごせないリスクである。

商品化された通気部材は、ほとんどがこの問題に対処しており、網目状、格子状、柵状の構造で通気部を保護している。その中で、汎用性の高い商品として次のものを見つけた。

 

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イーヴスベンツ|製品情報|日本住環境株式会社

本来は軒天(軒先の裏地を覆った、軒の天井みたいな部分)に使うもののようだが、じゃんじゃか雨が入る位置でもないので、流用できるだろう。

画像を見てもわかる通り、どう見てもプラダンを何枚か張り合わせただけのような構造である。実際プラダンで自作しているブログも見かけたので、節約のため自作した。

プラダンを30x430mmに切り分け、3枚をコーキングで張り合わせる。地味だが結構しんどい作業だった。

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これで虫を防げるかは謎だが、ハチとかカメムシの成虫は通れそうにない。もう少し薄いプラダンでも良かったかも。

 

これを2x4の上面に貼り付け、垂木の間の部分にくっつけていく。隙間が多かったので、モリモリのコーキングで埋め込んだ。

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すでに断熱材を施工中の画像で恐縮である。垂木の間に2x4があり、その上端が黒く見える。それが汎用型オリジナル換気部材「ツリーヴスベンツ」である!

 

 

以上にて外壁はすべてふさがった。これで長らく倉庫で場所をとっていた断熱材を入れることができる。枠組みの間隔を430mmにしたせいで発生した様々な面倒が報われるときがついに来るのか!?そしてグラスウールのチクチクとはどれほど恐ろしいものなのか。さらに断熱材によって小屋はいかほど暖かくなるのか。すべての答えは次回へ。

手すりづくり (作業記録 11.16-20 その1)

透湿防水シートを貼って、しばらく家屋の防水は気にしなくても良くなった前回の作業。

小屋の方はまだ断熱材や内壁、窓、扉など工程が山のようにあるが、それらの作業をより安全に行えるよう、また人に手伝ってもらいやすいよう、デッキの手すりを作ってしまいたい。

 

デッキは現在、土台の2x10の上に2x4の根太を乗せ、さらにその上に1x4のデッキ材を貼ってある。手すりの支柱を固定するのがデッキ材表面やその下の2x4では心もとない。高所なので、通常のウッドデッキよりも手すりは頑丈にしておきたい。よって、その下の土台に直接固定する。

 

力学的に、手すりにかかる負荷は下向きか、より多くは外向きだろうと推察する。外向きの力が手すりの上部にかかると、それは直下もしくは隣の支柱に伝わり、支柱の固定部分にテコの原理でより強い力が加わることになる。高さ90cmの手すりに、外向きに5kgの力を加えたとき、支柱の下端から固定ボルトまでの距離が10cmとすると、そのボルトには50kgの引き抜く力がかかることになる。しかもこのボルトは木口に刺さることになる箇所も多く、より引き抜きには弱い。

土台が沈んだときに失敗した補強材の経験から言えば、できるだけ離した複数のボルトで土台に直接固定する必要があるだろう。

 

というわけで、デッキの側面に土台が届いている箇所については、土台の上端と下端に2つのコーチボルトで2x4の支柱を固定する。届いていない箇所については、下端レベルに2x4のスペーサーを挟み、一方は間接的に土台に固定、もう一方は上の根太に固定とした。

 

さて、問題のトラス構造で張り出させている右側サイドデッキの支柱だ。当初は上記と同様にスペーサーで土台までつなげようかと思っていたが、先程よりスペーサーの必要な距離が長く、今度はねじれる方向に強度が低くなってしまうのではないかと危惧された。そこで、次善の策として45°の角度で斜め上方向にスペーサーを噛ませ、トラス構造の側面からそこに固定してしまう方法を考えた。手すりもトラスの強度に依存することになり少し不安だが、それほど軋むことも無いので、大丈夫なのだろう(本当か?)。

 

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全て2x4だと少しもったいないので、間に30x40mmの垂木を挟む。手すり面は、顔料が付いても嫌なので防腐剤なしとし、1x4で様子を見てみる。支柱はキシラデコール塗りとするが、倉庫に余っていた謎の色を使ってみることとした。

なるべく垂直に支柱を立てるが、止め方の差異や土台の傾きなどで上面はきっちり直線上にならなかった。支柱の負担が少ないことを優先し、手すりの1x4で調整することとした。

 

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意外に黄色い色だった。#315スプルースか?

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圧倒的安心感である

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現状です。アプローチの足場板は雨で容易に滑る。

 

塗料の色がちょっと想像と違ったが、まずまずの仕上がりとなった。支柱の間隔がまだ広いため、手すりの下に横向きの材を2,3本渡したほうが安全性が増すと思う。

支柱の上面で手すりが繋がり、角になるところも多いので、一面のみの手すりとして考えた場合よりも、外向きの負荷に対する強度は上がるだろうか。

手すりができたことにより、何よりも、見た目上の安心効果が大きい。視覚的に、デッキと落下の間に確固とした境界線が設けられることにより、デッキ上の作業になんの恐怖も抱かなくなった。プラットフォームの次に行うべき作業は手すりだったかもしれない。

 

その一方、本格的に寒くなってきて、能率が上がらない。各部を計測して設計、加工、塗装までで2日を要してしまう。久々に純粋なひとり作業でサボりも多々発生する。個人事業主の適性は低いようだ。

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あとは窓とドアを塞げば気密が得られそうだが、まだもう1か所塞ぐべきところが残っている。垂木同士の隙間である。

ここはただ木材で塞いでしまえば良いようにも思われるが、天井からの透湿を考えた場合はそうはいかない。天井面に染み込んだ水蒸気は外へ外へと向かって進むが、屋根合板の外側にはアスファルトルーフィングが敷き詰められて行く手を阻む。すると屋根で冷やされた水蒸気は屋根合板で結露して腐朽菌を繁殖させ、雨漏りを引き起こす。そのため屋根換気が必要だ。

詳しくは次回へ

透湿防水シート (作業記録 11.2)

友人の結婚式のついでに半日だけ作業日が取れたので、少しだけ作業を行った。別の友人が同行してくれたので、半日だけだが貴重な2人作業だ。

 

新しくサイドデッキができ、ドア部分からの出入りが可能となったため、ついに壁合板を全て貼ってしまい、壁の防水を行っていく。

 

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壁の断面図。断熱材と内壁下地の間に防湿シートを入れることもある

 

家屋の壁の止水層は外壁で保たれている様に思われがちだが、木造住宅の場合そうとは言えない。屋根材でもそうだが、最外層の外壁材は紫外線や雨風、飛来物や外敵などの侵襲を最も大きく受け止める。しかし台風クラスの雨風では外壁材の隙間から壁内部に水分や風が届いてしまう可能性がある。そのため、一層内側にシート材を張り巡らせ、最終的な止水層としている事が多い。

また、壁にはもう一つ重要な役割がある。それは屋内の湿気を逃がすことだ。家屋の中は人間や炊事、その他様々な水分を含んだものから絶えず水蒸気が供給されている。換気が無い閉鎖空間に水が露出している場合、空間内の気体が飽和水蒸気圧(湿度100%)に達するまで水分は蒸発し続ける。人間の皮膚から蒸発するもの(不感蒸泄)だけで一日あたり600g前後あり、呼吸による蒸発を合わせると一日1kgの水蒸気が何らかの方法で屋外へ放出されなければならない。

最も簡易な方法は換気だが、ずっと窓を開け放っているわけにもいかない。24時間定量換気システムを組むのは、小屋に対してやりすぎだろう。そこで、壁と天井からの湿気の移動を考える。

 

よく木の壁や漆喰の壁などで、壁が呼吸することで調湿効果があると謳われる。室内の湿度が大きく乱高下するなら、過剰なときに吸湿してくれ、欠乏しているときに放湿してくれて効果的だろう。しかし、今回の話では室内の湿度は高すぎの一点張りである。壁が呼吸しても、吸ってばかりはいられない。吸湿してくれる水分量は早晩限界を迎える。

「夏は確かにそうかもしれないが、冬は湿度が低いじゃないか?」という声が聞こえるが、それは外気の湿度が低いからである。外気が低湿だから室内気も同様に低湿で、そこに人間活動の蒸気が加わってもまだ低湿なのである。しかし外気と比較すれば多湿なので、蒸気は外に逃げる。蒸気はいかに外に逃がすかという方向で考える。

 

壁の湿度移動で最も気をつけなければならないのは、壁内結露を起こさないことだ。これが起こりやすいのは冬の間のことで、室内から壁を浸透してきた水蒸気が外側に近づくにつれて低温にさらされ、外気へと放出される前に凝結(結露)してしまう。これが家の構造体の周りや断熱材の中で起こると、家の柱を腐らせたり、断熱性能の著しい低下を招く。結露はいつだって、(それほど湿っていなくても)暖かい空気が冷たい物に触れた時点で発生する。また、木材を侵す腐朽菌やシロアリはいつだって多湿な環境で増加する。

 

 

壁内結露については下記が詳しい

https://www.e-igc.jp/blog-mame/2018/11/745

 

すなわち、外壁材の内側に止水層を設けてもそのシートが完全な密閉シートとなってしまっては、雨風を防ぐ目的は達成したとしても、シートの内側(ツーバイフォー工法ならば構造用合板)にどんどん結露が発生し、合板や枠組みが数年で腐ってしまう。よって止水を受け持つシートは、水や風は通さない一方で水蒸気は通す性質を持ったものでなければならない。それが透湿防水シートである。 

 

これは外側からの水分は通さないが、内側からの水蒸気は通してくれる、ゴアテックスのようなシートである。これを壁合板の周りに張り巡らせることで、ようやくブルーシート保護を脱却することができる。

シートに重ね合わせ幅の補助線が書いてあるので、その通りに重ねてタッカーで止めていく。タッカーはダイソーのものを使ったが、1000円くらいのものとほぼ遜色ない使い心地だった。ただし、針がダイソーのものしか入らなかったため、2-3箱用意したいところ。買った針が悪かったのかもしれない。

 

まず小屋の外周の長さを計算し、その長さよりやや余裕を持ってシートを切っておく。まず端っこを1針だけタッキングし、1面分伸ばしてみて、水平を確認しつつ伸ばした先をタッキングする。その後たるみを補正しつつ上端を止め、後で下に引きつつ止めていくのが良いと思う(2人法)。

最初は失敗して、端っこから徐々に伸ばしながらタッキングしていったが、すぐに歪みができて1段目は皺ができてしまった。シートをきれいに貼るのはとても難しい。

 

2人作業のおかげで、1時間足らずで透湿防水シート貼りは終了した。窓部分はざっくり切って、5cmほど窓の中に折り込んでおいた。

 

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合板むき出し状態から、全体的に家屋としての風格が出てきた。

こうなると逆にデッキ部分の手すりが無いことによる危険性のほうが目立つ。倉庫にいつまでも巨大な断熱材があるので早く入れてしまいたいが、まずは手すりの設置が先だろうか。周辺の山に落ちている自然の木を使って手すりを作ることも考えたが、手間と強度を鑑みてちょっと難しいと感じたため、普通に2x4材や垂木材などを使って作りたいと思う。コーチボルトを大量に仕入れておこう。

 

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透湿防水シートを貼ったことで、ブルーシートの養生が不要となった。町中で、この状態で他の作業を進めている現場も多いと見受けられる。

合板が全く濡れないように作業を進めようと思ったら、プラットフォームの合板張りから壁の立ち上げ、垂木、屋根合板張り、ルーフィング張り、透湿防水シート張りまでを1回の晴れのうちにこなしてしまう必要がある。4人いれば、段取りが良ければ2日でできそうな内容だが、4人の予定と天気の予定が合うのは結構奇跡だ。となると、プラットフォームを十分覆えるだけのブルーシートは最初に準備しておくべきということになるだろう。

 

次回、手すりづくりの予定です。

土台沈下の補修、窓開け (10.9-11 その2)

さて、壁合板を貼り始めた頃から問題となっていた土台の沈下について、補修を行っていこう。

沈んでいるのは小屋正面から見て左奥の角で、先日下に鉄製のジャッキを入れて補強している。

 

treehouse.hatenablog.jp

 

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Fig.1 最初の補強材は無残にも歪んでしまった

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Fig.2 補強のため下から支えているジャッキ

 

上記の記事では、補強材が短すぎて、力点に対して2つのボルトの距離が近すぎるせいで曲がってしまうのだろうと予想した。したがって、もっと長い補強材を土台に沿わせるようにしてボルトで固定し、それをサイドの2x6のビームに載せるようにすれば荷重を伝えられるだろう。

幸い、12フィートの2x8材が余っていたため、これを補強材として用いることにした。

 

ボルトの距離が近すぎるとテコの原理でより大きな力がかかってしまうので、もとの土台との固定部はできるだけ離した2点とする。固定自体の強度も上げるため、それぞれ2本ずつボルトを止め、座金もちゃんと用いることとする。Z金具のボルトが比較的安価に入手できたので、これを用いた。雨が当たる部分に使う場合の耐候性に疑問があるが、亜鉛メッキが剥げて赤錆が出るようなら交換もしくは塗装を検討する。目立つ部分なので管理は容易だ。

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Fig.3 Z金具のボルトと座金。ボルト径は12mmだった

 

また、ツリーハウスへの昇降口と予定している、サイドデッキの末端部分の土台も、この補強材で兼ねてしまおうと思う。そのため、小屋部分の土台よりもデッキの幅分だけ飛び出すように固定する。荷重を載せる2x6のビームと交差する部分は、切り欠きを作って干渉を解決した。

 

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Fig.4 新しく固定した補強の2x8材。右手がサイドデッキの末端に当たる

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Fig.5 右手から見た補強材。土台の2x10と上面を合わせた。

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Fig.6 サイドデッキの幅の分だけ補強材を飛び出させている。2x6との取り合い部分の切り欠きがやや深いが、多分大丈夫だろう。

 

この後、根太を追加して補強材のところまでデッキを延長している。

これで、前回と比べれば格段に負荷は軽減しているはずだ。しかし、実際に下のジャッキを抜いてしまうのはまだ早いと感じたので、荷重はかけずにこのままにしておく。人手があるときに、試験を行ってみたいと思う。

 

今回はさらに、壁合板の窓くり抜き作業も行った。

どういう方法でやろうか色々考えたが、四隅にドリルで穴を開けて、細めのノコギリを挿入し、ギコギコ人力で切っていく方法でいってみることにした。そのような作業(内装の、コンセントボックスの設置など)のために、引き回し鋸というものがあるようだ。

https://www.amazon.co.jp/角利産業-Kakuri-Sangyo-引き回し鋸-180mm/dp/B000ARSPGE

 

これを予め準備し、いざ相まみえん。

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Fig.7 引き回し鋸。小学生の夏休みの工作のために買ってもらったノコギリに似ている。最初のDIYに帰ってきた。

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Fig.8 線が曲がっている。横方向がしんどい

角に8mmくらいのドリルで穴をあけて、内側からノコギリを挿入して引き切りに切っていく。切り下ろしは何とか進められるが、横向きはとてもやりにくい。枠組みよりも合板が出っ張ると窓枠の固定に支障が出ると思い、気を使う。ノコギリの刃も細いので、曲がりやすく切断面も汚くなり、相当ストレスの大きい作業だった。幅広の造作鋸に変えてみたりもしたが、そもそも元の切断線が曲がっているので挿入できなかった。電動ノコギリかジグソーを準備するべきだったかもしれない。

それでも1時間くらいをかけて、3つの窓を切り抜いた。

 

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Fig.9 セルフビルド系Youtubeによくあるやつだ

ところどころカビが生えかかった合板で閉鎖された小屋に、明るい光が差し込んだ。再び空気が入れ替わるようになって、とても気持ちの良い空間となった。

一度壁を作って全ての視界を遮った後に、改めて四角い窓から覗かれる木々の緑を見るに、窓とは風景を絵画の様に切り取り、楽しむためにあるのだと気付かされる。あまり物事に感動するタイプではないのだが、やりにくい作業の達成感も手伝って、しばらく四角い緑の景色に見とれてしまった。

 

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壁を塞いだかと思えば穴を開けたり、進んでるのか戻ってるのかはっきりしないが、着実に家の要素が増えていって嬉しい。今回は、サイドデッキを作ったことで横からのアプローチが容易となり、最終的な動線が見えた事が大きかった。未決定の大きな懸案事項はこれでなくなり、後はツリーハウスに必要とされる要素を揃えていくだけだ。工程はまだ多いが、色々と調べながら作っていく、楽しい部分である。

 

窓からそよぐ森の香りを脳に焼き付け、作業を終了した。