ツリーハウス施工記録

建築素人がツリーハウスをセルフビルドしています。トラブル続きの施工記録です。随時更新

屋根裏の通気層 (作業記録 11.16-20 その2)

生活がガラッと変わってしまって、関係ないけどブログが滞ってしまった。早く追いつかなくては。

 

f:id:deepneuron:20191120164539j:plain

 

屋根が完成し、壁合板と透湿防水シートを貼り終え、あとは窓とドアを残して小屋の密閉は果たされたかに思われるが、もう1箇所細かい部分が残っている。垂木と垂木の間の隙間である。

 

垂木は特に切り欠きなどの処理はせずに、壁の枠組みに乗せて固定しただけのものだ。垂木同士の間隔は壁と同じく430mmとしている。グラスウールの断熱材を入れるので、垂木の間にも断熱材が入ることになる。

壁面における垂木同士の隙間を塞ぐだけなら、2x4材を同じく430mmに切って垂木の間に立てて固定すればいいと思う。垂木のねじれなどで面がばっちり出てないのでコーキングは必要だろう。

しかし、屋根裏は壁面と異なり、透湿防水シートやその外側の通気層が無い。合板の表面にアスファルトルーフィングをべったり貼ってしまうのが通例だ。これには透湿性が無く、断熱材を通ってきた水蒸気を逃がす道が無い。屋根裏の結露を防ぐために、対策が必要である。

天井裏の空間がある設計ならば、屋根合板の直下には広い空間ができており、その空間の換気を考えればよいことになる。

 

f:id:deepneuron:20200509104905j:plain

<棟換気の図>ここでは垂木間に断熱材は無く、天井面での断熱を想定している。

 

今回の小屋は非常に小さく、天井は屋根裏に直接斜めにつけようと思っている。壁と同様に断熱すると、水蒸気の逃げ道がなくなって結露する。そのため、断熱材と屋根合板の間に通気層を設けることとする。

 

f:id:deepneuron:20200509105418j:plain

<屋根通気の図>断熱材と屋根合板の間を通って、湿度を持った空気が排出される。

f:id:deepneuron:20200509105624j:plain

<屋根通気用部材の例>「通気くん」はダンボールで通気層の空間を確保してくれる。

 

屋根裏の通気層は断熱材を入れるときに何とかするとして、通気層の出入り口を今回しっかり作っておかなければならない。三角屋根なら頂点の棟から逃がすが、片流れ屋根では軒下の外壁との取り合い部から湿気を逃がす。つまり、垂木と垂木の間を塞ぐ部材の上面に、少し隙間を開けておけば、そこから空気が出入りしてくれるはずだ。

しかしそこにも一つ問題があり、通気層を外界とつなげておくと、そこに虫たちや鳥たち、その他森の生命たちが跋扈繁栄する可能性がある。特にカメムシの侵入阻止を当初のマニフェストにも掲げた我々としては、見過ごせないリスクである。

商品化された通気部材は、ほとんどがこの問題に対処しており、網目状、格子状、柵状の構造で通気部を保護している。その中で、汎用性の高い商品として次のものを見つけた。

 

f:id:deepneuron:20200509112104j:plain
イーヴスベンツ|製品情報|日本住環境株式会社

本来は軒天(軒先の裏地を覆った、軒の天井みたいな部分)に使うもののようだが、じゃんじゃか雨が入る位置でもないので、流用できるだろう。

画像を見てもわかる通り、どう見てもプラダンを何枚か張り合わせただけのような構造である。実際プラダンで自作しているブログも見かけたので、節約のため自作した。

プラダンを30x430mmに切り分け、3枚をコーキングで張り合わせる。地味だが結構しんどい作業だった。

f:id:deepneuron:20200509112716j:plain

f:id:deepneuron:20200509112745j:plain

これで虫を防げるかは謎だが、ハチとかカメムシの成虫は通れそうにない。もう少し薄いプラダンでも良かったかも。

 

これを2x4の上面に貼り付け、垂木の間の部分にくっつけていく。隙間が多かったので、モリモリのコーキングで埋め込んだ。

f:id:deepneuron:20200509113106j:plain

すでに断熱材を施工中の画像で恐縮である。垂木の間に2x4があり、その上端が黒く見える。それが汎用型オリジナル換気部材「ツリーヴスベンツ」である!

 

 

以上にて外壁はすべてふさがった。これで長らく倉庫で場所をとっていた断熱材を入れることができる。枠組みの間隔を430mmにしたせいで発生した様々な面倒が報われるときがついに来るのか!?そしてグラスウールのチクチクとはどれほど恐ろしいものなのか。さらに断熱材によって小屋はいかほど暖かくなるのか。すべての答えは次回へ。