ツリーハウス施工記録

建築素人が、ゼロからツリーハウスを作ってみます。トラブル続きの施工記録です。随時更新

土台沈下の補修、窓開け (10.9-11 その2)

さて、壁合板を貼り始めた頃から問題となっていた土台の沈下について、補修を行っていこう。

沈んでいるのは小屋正面から見て左奥の角で、先日下に鉄製のジャッキを入れて補強している。

 

treehouse.hatenablog.jp

 

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Fig.1 最初の補強材は無残にも歪んでしまった

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Fig.2 補強のため下から支えているジャッキ

 

上記の記事では、補強材が短すぎて、力点に対して2つのボルトの距離が近すぎるせいで曲がってしまうのだろうと予想した。したがって、もっと長い補強材を土台に沿わせるようにしてボルトで固定し、それをサイドの2x6のビームに載せるようにすれば荷重を伝えられるだろう。

幸い、12フィートの2x8材が余っていたため、これを補強材として用いることにした。

 

ボルトの距離が近すぎるとテコの原理でより大きな力がかかってしまうので、もとの土台との固定部はできるだけ離した2点とする。固定自体の強度も上げるため、それぞれ2本ずつボルトを止め、座金もちゃんと用いることとする。Z金具のボルトが比較的安価に入手できたので、これを用いた。雨が当たる部分に使う場合の耐候性に疑問があるが、亜鉛メッキが剥げて赤錆が出るようなら交換もしくは塗装を検討する。目立つ部分なので管理は容易だ。

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Fig.3 Z金具のボルトと座金。ボルト径は12mmだった

 

また、ツリーハウスへの昇降口と予定している、サイドデッキの末端部分の土台も、この補強材で兼ねてしまおうと思う。そのため、小屋部分の土台よりもデッキの幅分だけ飛び出すように固定する。荷重を載せる2x6のビームと交差する部分は、切り欠きを作って干渉を解決した。

 

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Fig.4 新しく固定した補強の2x8材。右手がサイドデッキの末端に当たる

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Fig.5 右手から見た補強材。土台の2x10と上面を合わせた。

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Fig.6 サイドデッキの幅の分だけ補強材を飛び出させている。2x6との取り合い部分の切り欠きがやや深いが、多分大丈夫だろう。

 

この後、根太を追加して補強材のところまでデッキを延長している。

これで、前回と比べれば格段に負荷は軽減しているはずだ。しかし、実際に下のジャッキを抜いてしまうのはまだ早いと感じたので、荷重はかけずにこのままにしておく。人手があるときに、試験を行ってみたいと思う。

 

今回はさらに、壁合板の窓くり抜き作業も行った。

どういう方法でやろうか色々考えたが、四隅にドリルで穴を開けて、細めのノコギリを挿入し、ギコギコ人力で切っていく方法でいってみることにした。そのような作業(内装の、コンセントボックスの設置など)のために、引き回し鋸というものがあるようだ。

https://www.amazon.co.jp/角利産業-Kakuri-Sangyo-引き回し鋸-180mm/dp/B000ARSPGE

 

これを予め準備し、いざ相まみえん。

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Fig.7 引き回し鋸。小学生の夏休みの工作のために買ってもらったノコギリに似ている。最初のDIYに帰ってきた。

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Fig.8 線が曲がっている。横方向がしんどい

角に8mmくらいのドリルで穴をあけて、内側からノコギリを挿入して引き切りに切っていく。切り下ろしは何とか進められるが、横向きはとてもやりにくい。枠組みよりも合板が出っ張ると窓枠の固定に支障が出ると思い、気を使う。ノコギリの刃も細いので、曲がりやすく切断面も汚くなり、相当ストレスの大きい作業だった。幅広の造作鋸に変えてみたりもしたが、そもそも元の切断線が曲がっているので挿入できなかった。電動ノコギリかジグソーを準備するべきだったかもしれない。

それでも1時間くらいをかけて、3つの窓を切り抜いた。

 

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Fig.9 セルフビルド系Youtubeによくあるやつだ

ところどころカビが生えかかった合板で閉鎖された小屋に、明るい光が差し込んだ。再び空気が入れ替わるようになって、とても気持ちの良い空間となった。

一度壁を作って全ての視界を遮った後に、改めて四角い窓から覗かれる木々の緑を見るに、窓とは風景を絵画の様に切り取り、楽しむためにあるのだと気付かされる。あまり物事に感動するタイプではないのだが、やりにくい作業の達成感も手伝って、しばらく四角い緑の景色に見とれてしまった。

 

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壁を塞いだかと思えば穴を開けたり、進んでるのか戻ってるのかはっきりしないが、着実に家の要素が増えていって嬉しい。今回は、サイドデッキを作ったことで横からのアプローチが容易となり、最終的な動線が見えた事が大きかった。未決定の大きな懸案事項はこれでなくなり、後はツリーハウスに必要とされる要素を揃えていくだけだ。工程はまだ多いが、色々と調べながら作っていく、楽しい部分である。

 

窓からそよぐ森の香りを脳に焼き付け、作業を終了した。

左サイドデッキの着手 (10.9-11 その1)

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Fig.1 正面右側からの現状

壁合板をおおむね貼り終え、外壁作業を円滑に行えるよう左サイドにデッキを追加することとした。最初の設計段階から比べて、最も大きな変更点である。

左奥の土台が沈んできたとき、左側に2x6でビームを追加した。これをそのまま土台として用いたいと思う。

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Fig.2 左サイドのビーム

問題点があるとすれば、写真奥のボルト部分である。これは小屋側のボルトを交換した際に貫通させたもので、長さ、強度は十分だ。しかし、反対側からドリルで水平を取りながら、なおかつ高い位置で穴あけしたため、完全な水平面にはなっておらず、サイドデッキ側ではベースの高さより若干高くなっているようだ。そのため、ビームの上に載せる根太に当たる2x8材を少々加工する必要がある。

 

土台の組み方は、2x8材の真ん中あたりで2x6のビームの上に載るようにして、小屋側を土台の2x10にがっちり止めてしまうことで固定した。この2x8を9本並べて、縦方向にデッキを貼っていく。根太間のスパンは400mm前後、デッキ材は従来と同様、1x4ホワイトウッドwithキシラデコール パリサンダである。木の方向が垂直になってしまうが、仕方ない。動線を表現したデザインということにしておこう。

出っ張りに体重がかかり、土台との固定部には大きな力がかかるため、ここは大きめのL字金具を使用した。腐食に備えて、できればコーチボルトも追加しておきたい。

 

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Fig.3 左サイドデッキの根太図面

図面を元に、いつものコメリで2x8と1x4を買い足す。顔を覚えられている気がする。

キシラデコールを4L使い切ってしまったので買い足したかったが、この店ではお取り寄せだった。工費が逼迫してきたこともあり、競合品であるALESCOの油性防腐塗料を購入した。半額ほど違う。

 

あとは切って、塗って、固定して、である。ALESCOのパリサンダはキシラデコールに比べるとやや水っぽい色で、染み込みが甘いと感じられる。キシラデコールでホワイトウッドを塗ると、一度塗りでかなり深くてマットな焦げ茶色が出たが、ALESCOでは焼き杉のような発色であった。

 

デッキの1x4は作業性を考えて、上面のみを残してあとの5面をまず塗り、デッキを貼り終えた後に上面を一気に塗る手順で行っている。大量の板を塗る、なにかいい方法は無いだろうか。

 

2x8の切り欠きや、樹木との兼ね合いなどに時間を取られ、1日半を要したが、サイドデッキを貼り終えた。

 

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FIg.4 正面デッキから(一時的に一部合板を貼っている)

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Fig.5 左前突端から

Fig.4の突端部が少し持ち上がっているのがわかるだろうか。これは下の根太2x8がその下の2x6に乗っている部分の切り欠きが不十分なためで、後日修正した。修正したが、それでも突端部に乗ると少し揺れるので、下から方杖を当てる必要があるだろう。

また、Fig.5の奥にはまだ足場板が渡してある。計算違いで根太の本数が足らず、奥までデッキを貼れなかった。これも後日根太を追加し、完成させている。

 

これでついに、はしごを使わずともデッキに乗り降りできるようになった。したがって、壁を完成させられる。外壁までどんどん進めていきたい。

斜面に建築することによって、結果的に足腰に優しいツリーハウスとなった。なおかつ、デッキの地上高は3m程度あるため高度感も失っていない(人によっては物足りないだろうが)。トイレなどに行くことを考えたら、かえって楽で良い。

 

デッキを作っている間、友人が山道を少し整備してくれた。

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Fig.6 階段の敷設

 

斜面に階段ができたら、建材の搬入、移動が飛躍的に楽になった。さらに砂利も敷いてくれたので、泥をツリーハウスに持ち込みにくくて嬉しい。山に文明がもたらされている。

 

 

デッキは広くなったが、なんら手すりなどが無いためまだ恐怖感が強い。手すりを早くつけたいのだが、強度のある手すりを作るのも割と難しいと建築士が本で語っていたし、頭の中の構想がまだ固まっていないため踏み出せずにいる。設計段階ではそこまで考えていませんでした。

正面のデッキの端には土台の木が2箇所届いているので、まずそこはコーチボルトでガッチリ固定できる。それ以外の根太はあろうことか大引きから20cm飛び出す設計にしているため、土台が届いていない。2x4の木口にボルト2本止めるだけでは少し不安なので、根太の下で土台と連結させる必要があるだろう。

また、もともとある右側のデッキは、先日問題に挙げたトラス構造4つで支えられている。

https://treehouse.hatenablog.jp/entry/2019/10/17/190000

この時点でやや不安なのに、ここに支柱を付けられるだろうか。解決すべき課題だ。

今回新しく作ったデッキ部分は、根太の2x8の木口に十分面積があるため、ボルト2本止めでいけるだろう。

 

小屋を作るまでは、コーススレッドの強度にかなりの信頼感があったが、重みの補強でコーススレッドが10本とも折れたり、土台が崩れたときにいとも簡単にビスが抜けたりした経験をしたため、家単位では強度の必要な部分でネジに頼ることはできないことを学んだ。

下から順番にしっかり組み立てることと、構造体の強度を把握して、無理のない負荷がかかるように設計することは、簡単そうでとても困難だ。半年で建築物を見る目が変わった。

 

 

 

ーーー

 

デッキを作った夜は、地権者である友人と焚き火をして過ごした。

焚き火の心を癒やす力はすごいと思う。ノルウェーで、焚き火動画が延々12時間流れる番組は、視聴率20%に達したという。敬愛するtwitterの生物群先生(https://twitter.com/kmngr?s=20)も、最近bushcraft動画を見ているとのことだった。森の中で木をゴリゴリと切る動画でなんであんなに癒やされ、そしてわくわくするんだろうか。

おそらくそれは、森は何も知らない都会人が見たら「森」でしかなく、ただの環境なのだが、そこに散らばる要素から何かを作る、さらにそれを短時間の美しい動画にまとめることによって、何も「無い」状態から、様々なツールが「有る」状態へと劇的に変化するからではないだろうか。そして、いくつかの要素、たとえばシェルター、チェア、ファイヤリフレクター、タープなどが次々と生み出され、ただの「森」という環境が、快適な環境に変化することで、感動は極大を迎える。そこで美味しいものを作って食べたり、くつろいだりすることで、さらに恍惚とするのだが、筆者としてはこれはレースのウイニングランのようなもので、感動のピークを煽り、延長させているに過ぎないようにも思える。本質は、快適な環境の創造である。

 

ツリーハウスの素晴らしさにも、共通点を見出すことができる。

木の上という、一般には全く近寄り難い環境。周りには枝と葉っぱと空気しかない。そこに、突然快適な小屋が出現する。自分もそこに登ることができる。地面が無い分森よりも要素が少ない空間に、家が生み出され、滞在/居住可能な環境へと変化する。beforeがあるからafterが美しく見えるタイプの現象だと思う。

さらに、地上の小屋が「土地」という要素の変化と捉えられると、空中の「無」の部分に作られるツリーハウスは、創造という点で感動が大きいと考えられる。樹木を生かしたまま、その形に応じて作られるというのも、有機的で、機知が感じられて大変よろしい。ゲゲゲの鬼太郎スナフキンのような、自由気ままなはぐれ者で、スローライフの象徴のようなイメージが付いているのもよいものだ。

 

 

 

少しツリーハウス学を整理できた。ここに於いて、地面から支柱があることはツリーハウスの良さを損なうものではないということは、重要な知見である。良い点に目を向けていく方針を新たにした。

 

もう少し作業を進めます。

作業記録 9.21-23 その2

さあ、ようやく屋根を貼り終えたので、次は壁合板を貼ってしまおう。

 

ツーバイ工法は445mm前後のピッチで2x4材の柱を立て、それらに構造用合板を外張りすることによって、面で建物全体の強度を保つコンセプトである。通常この規模の小屋であれば、壁の枠組みに合板を貼ってしまってから床面にネジ止めした方が作業性が良い。しかし、作業人数の制約と、周囲の足場が悪く平地から建設現場までのデリバリーが困難なことから、先に枠組みのみを垂木を含めて組んでしまい、後から合板を貼っていく順序にした。また、小屋の出入り口が斜面下側で高度がある部分なため、斜面上側の低いところから小屋に出入りできる状況を保っておきたかったという理由もある。

結果的には、足場が悪いところに脚立をかけて合板を貼っていく苦労の方がやや大きく、合板自体の輸送も大変だった。やはり合板まで貼ってしまった枠組みをプラットフォーム上に固定し、出入り口部分の合板のみ外しておいて、目処が立ったら最後に貼るという順序の方が適していたように思う。

 

合板1枚(910x1820mm)で貼ってしまえる部分は既に貼ってある。残りの半端な切断が必要となる部分をひたすら測って、切って、貼っていく。山中の作業が多いだろうと予想し、バッテリー駆動の丸のこを用意しておいたのが非常に有益であった。

www.bosch.co.jp

この商品(PKS18LIN)であるが、2x4材や合板を切るのにパワーは申し分ない。L字ガイドを使えばそれなりに正確なカットもできると思う。結構高額な買い物なので、自宅(賃貸マンション)でのDIYにもメインで使っていこうと思っていたが、切断時の騒音が予想よりも大きく、粉塵の発生もやはり多い。ベランダでの使用ははばかられたため、ツリーハウス専用に近い使い方になりそうだ。ただ、コードが無いので取り回しはすごく楽。合板加工では最強ツールだった。

 

壁合板の固定は、2人以上は必要だと感じた。小屋の全周にデッキないし足場があれば、一人で押し付けて貼っていくのも可能とは思うが、デッキは半周のみで他は足場の悪い斜面という状況では困難だった。

窓部分は、正直面倒だったので後からくり抜けばいいわと思ってそのまま貼ってしまった。後日くり抜きノコギリで3箇所切ったが結構苦労したので、合板を窓に合わせて切ってから貼った方が良いかもしれない。

 

なにはともあれ、出入り口部分の1枚を残して、すべての壁を覆い終えた。

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空いているのは将来的にドアの部分である

壁が覆われると、ついに雨風をしのげるようになる。最も基本的な建物の構造はできたわけだ。

もちろんこれで放置すれば、雨で合板がすぐに腐っていきカビ屋敷となり、数年で朽ちてしまう。しかし、ここからは建物の耐久性や安全性、快適性に関わる部分にシフトしていく。ひとまずは床と屋根と壁、これらが一通り揃ったことを喜びたい。

 

 

次に行うべきことは、窓のくり抜きと、透湿防水シートを貼ることだ。これでブルーシートハウスを脱却できる。街にも白いシートを貼った状態でしばらく置いてある建築現場があることを考えると、シートだけで割と放置可能なのだろう。

壁について言えば、内側は断熱材、内壁、塗装、外側は胴縁、外壁材が残っている。

床についても、きしむところがあるので合板を二重に重ねたい。裏側から断熱材を根太間に入れ、下から目隠しをする。

天井にも通気を確保しつつ断熱材を入れ、天井板で覆う作業がある。

デッキに関しては、沈んできた側のサイドデッキを追加するのと、既存の根太部分のデッキ張りの完成、手すりの設置、斜面からの階段の設置が必要である。

そして、窓とドアも設置しなければならない。

 

まだまだやらなければならないことは多い。しかし、工程を書き出せるくらいになってきた。これは作業が進んでいることを表す以上に、自身の見通しをつける能力が上がっていることも表していると思う。2棟目ではこうしたい、と想像することも増えてきた。もうすでにこのツリーハウスづくりをやって良かったと思っている。成長は人生における最も喜ばしいことのひとつだ。

 

ではまた

作業記録 9.21-23 その1

泣きながら波板を切った10日後、友人の助けを得て3連休で作業に向かった。

今回の目標は、屋根の完成と、壁合板の仕上げである。

 

秋は雨風多い季節であったが、幸い雨には降られなかった。晴れ男なので、旅行や外出に天気の心配をしたことがない。小雨であれば外に出ると晴れるため、傘もあまり持ち歩かない。

 

オンデュリン波板(クラシックシート、イージーラインなど)の張り方は下を参考にした。

https://jp.onduline.com/our-tools/videos-0/ondulinerclassic-installation-video

屋根材『ONDULINE Classic』 | オンデュリン・ジャパン - Powered by イプロス

 

オンデュリン波板は蛍の光を聴きながら既に1mごとにカットしてある。縦の重ねは20cm前後、横は1山重ねれば良い。4x4の16枚で屋根全面を覆える計算である。

オンデュリン専用釘も販売されているようだが、入手が面倒なため、コーススレッドを使用した。下が合板1枚なため長さの余裕が12mmしか無い。重ね部分はより野地板までの距離が長くなることも考慮すると、少し長めを準備したい。実際それで合板を何箇所も突き破ったが、その下は屋根用断熱材の上の通気層となる予定なので、見栄え上も安全上もそれほど影響がない。

屋根の頂上部、つまり切妻屋根の場合は棟で、片流れ屋根では最上流部となる部分だが、ここには専用の棟カバーがあるため、これを用意した。

 

www.komeri.com

 

切妻屋根では、棟部分において野地板下の通気層の出口を工夫する必要があるが、片流れでは軒下に出口が来るため、屋根においては検討不要だ。

 

もう一つ必要なのが、釘穴を止水するための専用キャップである。これもホームセンターで300個を用意した。

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1mの屋根材ひとつにつき、真ん中と重ね部分の3列をネジ止めしていく。勾配も緩く風の少ない場所のため、重ね部分に関しては全山で、真ん中部分についてはひと山飛ばしでネジ止めしていった。

そしてキャップを閉じていくのだが、このキャップが想像以上に硬い。グローブをして親指や手のひらの色んな部分で押してみるが、これがとても痛い。しかも時折ラスボス級に硬いのが混ざっており、友人とふたりで「つらい、つらい」と泣き言を漏らしながら閉めていった。ネジが届かず、少し押し付け気味に止めたところなどはキャップが更に閉めにくくなっており、それも含めてコーススレッドは65-75mm程度と長めのものをおすすめしたい。

先人たちのブログを読んでもこの硬さについての言及は確認できず、たまたま我々のグループが入手したロットが硬かったのかもしれない。何事もやってみなければ分からないと思うことの連続である。

 

泣きながら300個を閉め終えて、ついに屋根の完成を見た。

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オンデュリン波板 グリーン 片流れ屋根

 複数人で作業すると、一段落終えた際の感動を分かち合えてよい。筆者が他の誰かと食事をしたり、旅行に行ったりする最も大きな理由だ。

 

上流部の軒先は、棟カバーを垂木まで曲げて打ち付けることで雨仕舞とした。やや微妙だが、役割は果たしてくれよう。

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軒先の処理

ホストツリーと屋根とのクリアランスは十分確保できず、カバーが当たってしまった。野地板の時点で5cmくらいしか間隔を開けていなかったためだ。軽く接触しているだけで侵襲度は低いと思うが、理想的ではないので完成後に修正を予定する。

 

屋根完成後強い雨も幾度かあったが、下地の合板が濡れることはなかった。この波板の耐用年数は、シベリアで50年以上持っている実績があるようだ。雨漏りより先に土台が腐るだろう。雨の音も小屋内に響かなくてとても良い。

 

 

 

これで屋根がしっかりしたので、次は壁の作業を進めていきたい。2人いるだけで作業が5倍進む気がする。

作業記録 9.20

 

あけましておめでとうございます。2020年も、ご安全にいきましょう。

年は越しましたが、記録はまだ夏のままです。早く追いつきたいと思います。ちなみにまだ完成はしていません。今日は下ごしらえの記事です。

 

前回天井の野地板とルーフィングまでを張ってしまった。これで耐水性はあるため、数週間の雨なら持ってくれるはずだ。ホワイトウッドなどの木材はある程度濡れてもそれほどダメージがないが、合板は一度濡れると色も悪くなるし、曲がるし、黒カビが生える。壁や床の合板を張ってから作業が空く場合は、しっかりブルーシートで雨仕舞をしておかないと、次回来てみたらベコベコのカビだらけということになる。ブルーシートで屋根と壁を全面覆うのはなかなか難しいので、壁合板と屋根合板を貼るときは、一気にルーフィングと透湿防水シートまで張ってしまう道具・人足を確保してから、日を選んで行うのをおすすめしたい。

上記の理由で壁の合板にはブルーシートをぐるりと巡らせ、防水して夏の時を過ごした。

 

さて、いつまでもブルーシートでは不安なので、屋根と壁の止水を十分なものにしたい。したがって、次の作業は屋根材の施工と、壁合板の完成、及び透湿防水シート張りとした。

屋根材はこれまでの記事通り、オンデュリン波板を使うことにしている。カラーバリエーションは赤、緑、茶色、黒と4種類が流通している。悩みどころだが、ここは森に溶け込んだデザインを優先し、背景の杉林に溶け込む緑の屋根を選択した。

 

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近所のホームセンターには長さ1mと2mの2種類が用意されており、2mの方が合計金額が安い。つなぎ目が少ない分施工も楽だろう。しかし自宅から現場への輸送車(自家用車)は、よりによってFiat 500である。積載能力は、2mの棒が何とか数本積めるくらい。板状のものは900x900mmが限度である。ハウスビルダーにあるまじき低容量作業車でここまでやってきている。(いままでどうしてきたか?それは殆どの材料を最寄りのコメリで調達し、お店の軽トラを借りるか、友人の軽トラを借りてやりくりしていたのだ)

当然2000x900mmの波板は搭載不能なので、最も安く済ませる方法、つまり2mを2つに切って輸送するという手段をとった。最寄りのコメリにオンデュリン波板が無いのは確認済みであった。

 

オンデュリン波板は繊維にアスファルトを含浸させてできており、切断方法はのこぎり、丸のこなどで切れるらしいが、切っていくと刃の間にアスファルトがべっとりとこびり付いて、どんどん切りにくくなるらしい。刃の原状回復は困難なため古いのこぎりを使うのはもちろんとして、切断中も絶えず油に濡らして潤滑にしながら切る必要がありそうだ。ちょうど古いのこぎりがあったので、ホームセンターの加工室をお借りして切ることとした。

 

閉店まで1時間あり、まあ切るだけだしすぐ済むでしょと考えながらゴリゴリし始めた。1枚目の半分くらいというところで、鋸が両側の断面に挟まって動かない。これは予想より難航しそうだ。

持参した安いオリーブオイルをぺちゃぺちゃと塗りながら切っていく。なるほど、刃の目に挟まったのもある程度溶け出すし、側面も少し滑りが良くなった気がする。しかし辛い作業に変わりはない。

残り3枚となったところで、蛍の光が流れ始める。これはまずい。なぜなら、今日ここで切り終えなければ、この波板を持って帰る手段が無いのだから。

ここでテンションアップ!オリーブオイルフルパワー!である。もこみち先生、オラに油を分けてくれ…ッ!

汗と油まみれになって「つらい、つらい」とひとりでつぶやきながら、閉店時間に8枚を切り終えた。

店員さんに頭を下げつつアスファルトかすを片付けながら、車の小ささ、己の無力さ、アスファルトの粘り強さなどが脳内を去来するのであった。

 

 

またつらい話になった。次回もつらい話になります。屋根はつらいね。

 

作業記録 8.3-6 その3

前回より2ヶ月以上の時間が開いてしまった。年末でかなり時間があるので、なんとか重い腰を上げ、作業を振り返っていきましょう。

 

屋根の形を片流れ屋根に決め、材料はオンデュリン波板を用いて葺いていくと決めたところまでをお送りしたと記憶している。それを実践していく。

 

屋根材は雨や日光を受け止める、最も外層の部分である。

その下にさらにルーフィングを敷き詰め、最終的な防水層とする。アスファルトルーフィングが最寄りのコメリで入手可能であった。スペックの違いはよく分からぬ。

ルーフィングを貼る下地は、通常の構造用合板を垂木の上に敷き詰めていく。

 

垂木はすでに固定されているので、合板8枚で屋根面を作る。軒を20cm出すので、側面方向を垂木から20cm出っ張らせて施工した。

勾配10°で滑る程ではないので注意深く四つん這いで乗れば落ちるようなことはないが、結構な高度感である。意識的に確認しながら行動する。

野路板を張ったら、下側から順にアスファルトルーフィングを張っていく。勾配が少ない場合は重ね合わせにテープやのりを張ったり、二重にルーフィングを張ったりするらしい。今回は、単純にタッカーで止めるのみとした。

途中で小雨に降られたが、つらいつらい(ひとりで)言いながら全面貼り終えた。

 

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ルーフィングを貼ればしばらくは雨も安心である

ここから雨が強まる予報で、今回の作業はここまでとした。

そろそろ壁を完成させたい。そのためにはデッキへ簡単・安全にアクセスできるように階段や手すりも設置したい。まだまだ先は長いが、一つずつ粛々と進めていこう。

作業記録 8.3-6 その2

さて、酔いも覚めて天気も良好。屋根作業に取り掛かる。

 

一般的な家屋の屋根を見てみると、瓦だとか、金属板だとか、そんなもので覆ってあると思う。一番上面に露出しているのは屋根材で、紫外線や雨、雪、熱などにさらされ、最も耐久性が要求される。しかし瓦を見てもわかるように、大雨や嵐があれば、少量ずつではあるが屋根材の下に水滴が浸透していく。必ずしも屋根材だけで雨の侵入を防いでいるわけではなさそうだ。

では止水効果の役割を最も果たしているのは何か。現代の家屋では、ルーフィングと呼ばれるシートではないかと思う。アスファルトルーフィングの名前で知られているこのシートは、アスファルトが含浸されており防水性がある。これを屋根材の下地にしっかり貼っておくことで、雨漏りが防がれる。

ルーフィングを貼る屋根の下地材は、野地板と呼ばれる。もともと在来工法では、屋根の垂木の上に杉板を横方向に間隔を開けて並べて貼り、瓦を葺く下地にしたらしい。昔の日本の建築は湿気対策で通気性を優先したつくりだったため、屋根の野地板も換気を考慮して疎なつくりとしたのだろうか。もちろん重い瓦を使う代わりに、できるだけ下地を軽量な構造にし、屋根の重量を抑える狙いもあったのだろう。なんにせよ、ルーフィングもなければ瓦の製品誤差も大きく、風が吹けば雨漏りしそうだ。

そんないきさつで、ホームセンターなどでは表面が荒い、薄い杉板のことを野地板と呼んで販売している。安いのでDIYでもたまに使われる。

しかし、現代の屋根、特にツーバイフォー工法では、野地板は構造用合板をぴったり密に貼ってしまっていることが多い。重量はやや上がるが、ルーフィングを敷くときにより気密性を高めて敷き詰めることができるし、隙間が無くてなんか見た目もきれいである。こちらの方が雨漏りしにくいであろう。なお合板を使用する場合でも野地板と呼んでいる。我々もこれを採用しよう。

まとめると、垂木の上にまず野地板として構造用合板、その上にアスファルトルーフィング、その上に屋根材となる。

 

屋根を設計する際、検討すべきは、屋根材に何を使うか、どんな形にするのか、軒をどれくらい出すのか、勾配はどれくらいにするのか。それくらい?

 

屋根材は様々な物があり、選びにくい。価格や、見た目、メンテナンス性や耐用年数、重量、施工性、入手の容易さ、断熱性など様々な要素がある。用途によって最適解は異なるだろう。

セルフビルダーにとって必要条件となる最初の要素は、入手できるかどうかではないだろうか。近所のホームセンターを物色したところ、目についたのは以下の通り。

 

ポリカーボネート波板(ポリカ)     943yen/m2

・トタン波板               847yen/m2

アスファルトシングル         1762yen/m2

・オンデュリン波板(クラシックシート) 1417yen/m2

・ガルバリウム鋼板           3345yen/m2

 

右には、コメリドットコムでの葺き面積あたりの価格を付記した。

ポリカ波板はDIYブログでもよく見る材料で、自転車置場や採光性が必要な小屋などに使われている。明るいのは素晴らしいが、いかにもプラスチックといった見た目で、週末を優雅に過ごす場所には不適切だし、安っぽく見える。

同様の理由でトタン屋根もあんまりである。立地条件が山中で、雨のときは高いところにある杉の葉から水滴が落ちてくる。通常の雨粒よりも大きく、金属屋根は雨音がかなりノイジーになることが予想される。値段は魅力的だけどね。トタンは物置とかにしたらいいと思う。

 

そういうところで、アスファルトシングルとオンデュリン波板が最終候補となった。どちらもアスファルト含浸繊維であり、シングルの方がかなり重い。シングルは1平米あたり7枚使用するのに比べ、オンデュリンは2×0.95mの大きさがあり、屋根材同士の接合部が少ない上に施工が容易である。シングルは2.5寸(14.5°)以上の勾配が必要だが、オンデュリンは5°から施工可能である。

以上の理由からオンデュリン波板を採用した。クラシックシートという名前で販売されていた。大きめのホームセンターなら置いてあると思う。

見た目は正直なところアスファルトシングルの方が好みだが、オンデュリンも落ち着いた雰囲気であり、許容とした。

 

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アスファルトシングル

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オンデュリン波板

 

屋根材は決定した。次は形である。

すでに片流れ屋根に決めて垂木も張ってしまったが、他の選択肢としては、切妻屋根と、寄棟屋根がある。寄棟屋根は棟が何箇所もあって、設計や施工が煩雑なため、あまり素人向きじゃないと思う。切妻屋根か片流れ屋根から選ぶのが良さそうだ。

雨樋をつけないので、切妻屋根では2面から雨粒が滴る。サイドデッキもあることを考慮すると、片流れ屋根では雨だれが1面のみとなり、直接地面に注げるためメリットがあるように思える。

片流れ屋根では屋根勾配による壁の高さの差が、切妻屋根に比べて2倍となる。

片流れ屋根では垂木を1本で施工できるため、棟を作る必要が無く楽である。

切妻屋根に比べて片流れ屋根では、1面の面積が大きくなるため、より多くの雨が流れることになり、雨漏りのリスクが高まる。

片流れ屋根は建物の形に動きをつけ、全体にモダンな印象となる。

 

条件を並べるとなかなか決めにくいが、雨漏りリスクや片面の壁が高くなる問題については、小さな小屋であることと、勾配をゆるくすることによって最小化されると考えた。最終的には、デザインと施工性の面から、片流れ屋根を採用した。

正面出入り口側のデッキ面を棟側とし、反対の山側を軒とすることで、雨はすべて地面に落ち、デッキにかからないようにした。小屋奥の天井高を1800mmと低めにし、屋根勾配も10°と緩くすることで、ドア面が高くなりすぎないようにした。

 

最後に軒の長さを決めなければならない。

軒は夏の日光を遮ったり、外壁にかかる雨を減らしたり、家屋の周りで過ごしやすくしたり、また出入りの際に雨に濡れなくしたりしてくれる、とてもいいヤツだ。だが長すぎると今度は屋根の重量が重くなったり(特に雪!)、屋根の構造体を強化しなければならなかったり、何かと問題もある。またツリーハウスの場合は、横にある樹木を避けなければならなかったりと、大きさの制約もある。

今回は、主に垂木の構造を作るのが面倒という理由で、横の軒を合板のみで伸ばすこととした。合板のみでは相当強度が低いので、軒は四方とも20cmのみと、かなり短い長さとした。そのため、デッキでは軒先で雨宿りするといったことは望めない。

しかし、小屋の用途として、生活に使うというよりは週末のんびりする場といった想定なので、雨の日にわざわざデッキで過ごすようなことはしない。これがしたいなら、むしろしっかりタープを張りますわ。

雨から外壁を保護する役割が満たせないのが気になるが、その他多くの部分も雨ざらしなのだし、軒の果たす役目がそう大きいとも思えない。スルー。

 

以上より、勾配10°で20cmの軒を持つ片流れ屋根を、オンデュリン波板で施工することといたします。

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検討段階だけでかなり書いてしまった。今回はここまでとします。

次回、施工。