階段作り (作業記録 1.21-25 その2)
外壁作業に先立ち、いままで後回しにしていたツリーハウスへの乗り降りのための階段を設置する。
ツリーハウス横の斜面からアプローチ用のデッキまでは、高さ50cm、幅1m程度の距離がある。これまでは足場板を立て掛けてその上をそろそろと歩く方法をとっていたが、雨に濡れると滑るし、実際一度尻もちをついた。この機会にしっかりとした階段を作っておきたい。
階段を作るには、足で踏む板が十分な強度を持つようにするのももちろんだが、階段の下から上までの距離に耐えうる横の板(桁)を用意するのが重要だ。屋内の階段なら地面から垂直に柱を立て、階段型のタンスを置くように階段を作成すれば良いと思う。一方屋外の階段では、その方法だと材料が多いしすっきり見えないため、非常階段のように踊り場から踊り場まで桁のみでつないで、間は浮いた構造にしたほうが合理的だろう。屋内でもその方式の方が空間を大きく使える。
桁の置き方もいろいろあるようだが、側桁階段が最も切り欠きが少なくて楽だろう。桁の材は長いスパンで下にたわむ方向に力がかかるので、多少幅のある材がよい。一度に乗る人数はひとりだが、踏むときの負荷は何倍にもなる。たわみは材の幅に反比例して小さくなるが、厚みについてはその3乗に反比例して小さくなる。よって太い角材より幅広の板材のほうが有利である。入手しやすい2x6以上の木材ならよいだろう。
踏み板は、直接桁からネジ止めするのも考えられるが、受け材を噛ませるのがいいだろう。木口にコーススレッドを打つと、高さもずれやすいし案外強度が出ない。受け材はクランプでとめられるし、1人の作業性も良い。
今回の問題点は、階段を斜めに作らなくてはならないことだ。最初の写真をよく見ると分かるが、デッキの方向に対して足場板が斜めに置いてある。正面には木が1本立っていて避けなければならないからだ。そのため3次元的に考えなければならないので、一気に角度の計算がややこしくなる。
つまり、地面に乗っている部分は通常の桁が同じ角度で立ち上がっているが、反対側は桁の長さも違うし、高さも違う。足場板も台形になっているといった状況になるだろう。
こういうのはCADでデザインすれば図面が簡単に作れそうだが、あいにくPCを持ってきてなかったので手計算でやることになった。
まず短い方の桁の距離と高さを測り、桁平面での平面図を作成、次に俯瞰図を書き、長い方の桁の距離を計算し、角度から斜めの長さを決定し、作図。次に2x6の寸法から厚みや幅を記入し、最終的にデッキの土台側面に接合する面の寸法を決定する。
iPhoneの計算機を横向きにしたときのツールに助けられながら、2x6の墨付けを行う。非常にトリッキーな角度になった。
結局計算して切るだけで半日かかってしまった。色はデッキと同じキシラデコールパリサンダにする。足場板は残っていた2x8を使い、受け材は30x40の垂木にした。
翌日実際に組み付けてみる。先日新たに追加したビームに接触しないかひやひやしたが、ぎりぎり当たらず設置できた。
一つ気になるであろうところが、階段上端の、桁の設置法である。側桁では通常上端部はL字に切り込みを入れて重みを2階部分に乗せるように固定しているのが多い。上から置くだけで十分支えられているというのが理想的な構造だろう。
しかし今回は、2階土台の側面に2本のコーチボルトで固定する方法をとった。木口にボルトを打っていて、さっきと話が違うじゃないかと言われそうだ。ここは太いボルトを使ったということで、なんとか許してほしい。
理由は、階段の方向が斜めなため、降りるときに側桁につまづきやすいだろうと思ったからだ。また、斜めカットの角度計算もまたややこしくなる。
地面に置いてある木は廃材を捨板として置いてある。桁の沈み予防だ。レンガなどが良かったが、準備が無かった。
ともあれ、歩き心地は良好である。距離に比して高低差が少なく、段の高さを刻み過ぎた。踏み板を2枚ずつにして段を減らしたほうがより良かったかもしれない。しかし些細な問題なのでこのままにする。
これにて手すりも階段も出来上がり、だれでも安全に登り降りできるようになった。外壁作業の効率も上がることだろう。
作業は仕上げに差し掛かってきた感触がある。壁まで一気に貼ってしまおう。
つづく