ツリーハウス施工記録

建築素人がツリーハウスをセルフビルドしています。トラブル続きの施工記録です。随時更新

断熱材!(作業記録 12.01-02)

時は満ちた。ついに建設初期から買って用意されていたグラスウールを使うのだ。が、いろいろと心配がある。

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グラスウール断熱材は、溶かしたガラスを長細く繊維状に引き伸ばした素材で、これを綿のように絡ませてウレタンのように成形したものである。断熱材の中で最も安価な部類だ。厚み当たりの断熱能力としてはスタイロフォームなどに負けるが、安価な分より厚く入れることができ、断熱能力当たりの価格は安い。

性質としてはぬいぐるみの綿のように弾力があり、圧縮すれば小さくなる。濡れると弾力がなくなり縮んでしまい、完全には元に戻らない。原料がガラスなので、資源が豊富で原料に石油を含まない。理論上回収して溶かせば再びグラスウールにすることができる。

ガラス質の繊維なので、石綿アスベスト)を連想されることが多いが、繊維の大きさが全く異なり、肺胞の奥まで到達することが無いため、発がん性は無い。ただし、ガラスの微細な繊維が断面に露出しているため、素手で触るとチクチクした感じがしばらく残るという。洋服越しでもチクチクはあるとのこと。

 

要するに、安くて、結露に弱くて、チクチクする断熱材だ。施工にあたってはチクチクがどれほどのものか気になる。風呂に入っても取れないそうで、怖い。

 

グラスウールの幅が435mmなので、柱の間隔はちょっと狭めて430mmに作ってある。

湿気対策に、本体が防湿フィルムで包まれたものを選択した。グラスウールの湿気予防には、通気層をきちんと設ける一方で、室内側を防湿フィルムで密閉してしまい、部屋の中に湿気を閉じ込める(壁まで浸透してこないようにする)対策も一般に行われている。これは防湿層と呼ばれる。グラスウールが防湿フィルムで内壁と遮断されていれば、浸透してくる水蒸気もかなり減少するはずである。

フィルムで包まれているので、チクチクの原因である直接触れる機会も最大限回避できる。

 

個人防護具も手に入る範囲で最大限予防策を講じた。

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装備と覚悟を決めてしまえば、あとの施工は簡単である。

防湿フィルム付きのグラスウールはたいてい室内側にフィルムの耳がついているので、これを柱にタッカーで止めていくだけだ。寸法がほぼピッタリなので、断熱材をはめるだけで軽く固定されるため楽ちんである。スパンが微妙に大きく、合板の切り貼りが面倒くさかったのが少し報われた。特に、天井のタッキングで非常に楽だった。ただし、結構圧縮できる素材なので、455mmピッチであった場合の間隔417mmでも施工性は同様だったのかもしれない。しかしそれは考えない!

 

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妻壁の斜めの部分は、グラスウールだと斜めにカットする必要があり、チクチク曝露が増加するため、スタイロフォームを一畳分だけ買ってはめ込んだ。すげー楽だなこれ。

 

天井の断熱に関しては、屋根裏通気層の確保に関して少し工夫が必要だった。

今回の断熱材の厚みは100mmであり、壁については2x4の厚み89mmより少し厚いが、内壁の合板で押し込んでも問題ない(多少のスペック低下はある)。

しかし、天井に関してこれを行うと、屋根合板の下にあるべき通気層がつぶれ、結露する。先記事の通気くんなどの部材を挟むことも考えたが、断熱材がさらに潰れたり、部材の購入も大変そうであったりで見送った。

 

そこで、垂木の下にさらに木材を追加で貼り付け、天井の厚みを100mm以上確保する方法を考案した。具体的には、30x40mmの垂木材をコメリで買ってきて、30mmの厚みを付加するように垂木に下からネジ止めする。こうすることで、天井の厚みは119mmとなり、約2センチの通気層を確保できるはずだ。グラスウールは湿気でしぼむことはあっても膨張することは無いので、途中で塞がることはないだろう。

 

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用意したグラスウールは長さ1370mmで、余った部分はカッターで切断して防湿テープでつないだり、塞いだりする。ここが唯一のチクチク曝露ポイントであり、なるべくウール本体には触れないよう注意深く作業した。繊維が重いのであまり飛散しないが、それでもしばらくは空気に漂うので、換気MAXとアイガード、防じんマスクは必須だと思う。現に四畳半だけで、目のかゆみとのどのイガイガが自覚された。

手袋は、布製だと簡単に繊維が入って来そうなので、ゴム手袋にした。それでも後半は少し痒かったが、翌日まで残ることはなかった。一安心だ。

 

今回は妻も手伝ってくれたので、一日で完了した。床断熱については、先に床を貼ってしまったので、シートが反対向きになるものの床下から根太に貼り付けた。建築後に床下がいじれるのがツリーハウスのメリットに追加された。換気については、床断熱材の下は何らかの疎なもので目隠しするくらいを想定しているので問題ないだろう。

 

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また、将来的な薪ストーブの設置を予想して、壁の一箇所のみ430x430mmのスタイロフォームとした。眼鏡石をはめ込む際に楽だろうと思ったからだ。場所を忘れないように気をつけなくては。

 

翌日は内壁の合板を貼ってしまった。切らずに貼れるところはそのまま一枚で貼ってしまったのだが、これをすると合板同士の境目が柱の上に来ない場所ができる。というか455mmピッチでなければほとんどそうなる。その結果、境目に段差ができて、押すとベコベコ動くようになってしまう。それだけなら良いが、壁を塗るときに段差になって見栄えが悪いし、漆喰などが割れる可能性がある。

みなさんはどうか面倒くさがらず、柱に合わせて合板を切って貼り付けるようお願いします。

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悪い例

 

 

 

これにて、壁の構造は完成した。断熱材を入れた段階で、まだ窓とドアはできていないのにも関わらず、小屋の中はかなり暖かく感じられた。4畳半でグラスウール89mmはかなり高スペックマシンになりそうだ。Core i5Chrome動かすようなものなのだろうか。Fiat 500に180馬力の心臓積むほうが近いかもしれない。

 

次の目標は、ドアと窓を完成させ、あったかハウスを実現することだ。石油ストーブを入れて、ツリーハウスで飲み会をして泊まることを目指す。

 

着々と完成が近づいている。寒い季節だが頑張れそうだ。