ツリーハウス施工記録

建築素人がツリーハウスをセルフビルドしています。トラブル続きの施工記録です。随時更新

2019.05.20 本日の状況 〜土台安定〜

前回までは土台の2x10材を持ち上げてはネジ止めし、不安定な土台のために崩れてというのを2回繰り返していた。今回は土台をさらに安定したものに変え、組み上げてしまうことを目標とした。

今までは長い棒に木片を打ち付けたものを立て、そこに載せているだけであった。これでは、少しでも材木が浮くと木の棒が倒れてしまい、そのまま材木が落下して角が破綻するという状況であった。

そのため、高い位置で自立し、ある程度台の長さがあるような土台が必要である。

そこで、手軽に台が作れるソーホースブラケットを使うことにした。

 

FULTON 400SHB ソーホースブラケット 鉄 2個×1箱セット

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土台の高さは、最も地面から高いところで260cmであり、約10度の足の角度を考慮すると、足の長さは264cmとなる。てこの原理により関節部にかなり負荷がかかりやすいが、慎重に作業することで対応しよう。

さらに、山の杉林に建設しているため、地面の傾きもある。傾きを測ってはいないが、とりあえず片方の足を20cm短くしておいた。

支えとなる木のボルトはすでに打ち込んであったため、繋げたい材をボルトと土台の上に乗せることに成功した。ボルトの上は立てかけてあるだけなので、木と反対方向に倒れる恐れがある。それが起きても落下することはないように、ボルトの位置で樹木と材木を紐で縛って、反対側には倒れないようにしておいた。幸いこれが役立つことは無かったが。

前回はL字状に組まれたところまでであったため、もう1辺の材を少しずつ位置合わせし、金物も併用しつつ接続し、コの字まで戻した。ここで友人の助けを得、残りの1辺を繋いでしまい、ロの字状態まで復帰させることができた。

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目的の高さで、ロの字状態まで組み上げることができた。写真ではさらに樹木に斜めに追加された板も固定されている。

樹木のボルトに材を載せているだけのため、ボルトから遠い2角は容易に落ちてしまう。今回は、樹木のボルトから150cm低い位置に追加のボルトを打ち、角に向かって斜めに2x8材を固定することで、四隅の耐荷重を確保することを試みた。

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山側、斜め下から見上げた図。矢印の2本がしっかり水平を確保してくれるはず。

ボルトの角度が1箇所少しずれたが、M10が10cm程度入っており、せん断方向に荷重はかからないため許容範囲とした。

斜めの材を固定し、もともとボルトに乗っている部分も、下からパイプ受け金具で滑らないよう固定したところ、水平状態で安定を得た。少なくとも四隅に体重をかけても全く傾かない程度には土台が安定した。

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斜めの材の受け部分。L字金具にM10ボルトを通し、樹木にねじ込んだ。L字金具の下側に2x8材を固定し、横にずれないようにする。ここの荷重はボルトを押し込む方向に働く。

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土台の2x10を樹木に固定したところ。M20ボルトを樹木にねじ込み、頭とナットの間を39mm開けてナットを樹皮側に締めた。間に金属板を一枚噛ませて材を乗せ、下からφ25mmのパイプ受け金具をビス止めし、擬似的にGL工法の様式をとっている。

木の選定に際して、樹勢の良い木が取り囲んでいるちょうどよいスペースが見つからず、2本の杉の木の間につくるようにせざるを得なかった。さらに上の図のように土台に対して斜めに木が位置しているため、樹木だけで荷重を支えようと思うと、どうしても斜めの材を入れることになる(家屋より高い位置にボルトを追加して、ワイヤーで吊る方法はある。しかし高所でありツリークライミング技術が必要となる)。四隅の下に柱を立てるという方法もあるが、今回はツリーハウスの定義を、全荷重を生きた樹木に預けたものとしてやや厳しく設定したため、追加の柱は禁じ手(崩落を回避する最後の手段)としている。

これは固定してから気づいたのだが、GL工法で本来作られる、ボルトに乗せた材木の遊びの余地は、トラス構造で荷重を支える場合作ることができない。三角形で先端の荷重を支えると、ボルトに乗った部分は横滑りし、荷重部が下がる方向に引っ張られてしまうのだ。そのため、下から金物でしっかり固定する必要があった。ボルトに乗せる材木の荷重が左右非対称となる場合、GL工法は樹木の遊びの余地を残すという本来のメリットを活かしきれないことになる。固定する樹木を増やすか、2本の樹木を結ぶ線に関して対称な荷重設計にする必要があるだろう。GLボルトだけで水平を出すなんて、本当に可能なのだろうか?後日調査。

 

なにはともあれ、3日の日数を要したがなんとか土台を立ち上げることができた。かなりの満足感である。

雨が降ってきたため、今回はここまでとする。いきなり施工から入ってしまったので、今日までの設計編をしばらく執筆する予定です。